DIGITABLE 第84回勉強会レポート

DIGITABLE 第84回勉強会レポート
2015年4月18日 於:江東区森下文化センター  第二研修室


プリントした写真を見比べ意見を交わす

Digitable 基礎講座「デジタルフォトの基本概念」:高木大輔講師
Photoshop 研究講座「粒子・粒状性」フィルム粒状感の再現について:平野正志講師
(※デジタブル第8回定例総会のためライトニングトークは休みました)

DIGITABLE写真技術勉強会(HOME) https://www.digitable.info

Digitable 基礎講座2015 第1回 高木大輔講師
「デジタルフォトの基礎概念」

2015年基礎講座の第一回目。
デジタルフォトについての基礎をまとめたもので、毎年恒例の講座となっている。
デジタルカメラで写真データが生成されるしくみを、イメージイラスト等を利用してわかりやすく解説している。シャッターを押せば写るのが当たり前のデジカメだが、その内部では高度な演算が行われている。…


■「デジタルカメラで画像が生成されるまで」では、イメージセンサーがレンズを通して画像を作成する仕組みを解説。撮像素子自体は色情報を持たず、べイヤー配列と呼ぶモザイク状のRGBのカラーフィルターをかけることでカラーの画像ができあがる。

■「JPEGとRAW」では、現在デジタル一眼レフのほとんどの機種で記録することができるJPEGとRAW形式について解説。一般に普及しているJPEGは、撮影後の大幅な調整が難しいので、撮影時に設定を正確に決定することが必要。RAWでは撮影後に調整を加えられるため、撮影時にあまり細かな設定を必要としないが、写真を完成させるための現像という作業が発生する。この二つの形式は、撮影スタイルにも大きな影響を及ぼす。

■「ベクトル画像とラスター画像」では、デジタルで表示される主な二つの画像形式について解説している。
画像ソフトの代表格であるAdobe Photoshopではラスター画像で解像度に依存するが、Adobe Illustratorではベクトル画像で拡大縮小に関係なく、くっきりと鮮明な線を保つ。

■「画像の解像度について」ではDTPでよく言われるdpiやppiにの概念について解説。商業(オフセット)印刷とインクジェットプリンタでプリントする際に必要な解像度を比較した。
オフセット印刷に使われる網点の比較画像は、普段印刷に携わらない人にもイメージがつかみやすいだろう。

Photoshop 研究講座 平野正志 講師
「粒子・粒状性」

最近のデジカメでは高感度においても粒状感(ノイズ)が目立たない。だが逆に粒状感の面白みを要望する声もあるようで、レタッチソフトにも粒状感を付け加える「粒子」という項目が現れている。

大小さまざまな粒が集まったフィルムの粒子と、ピクセル(四角)のあつまりのデジタルで作られた粒子と違いがあるか比較した。
比較したソフトは「Photoshop」のフィルター、Photoshop用プラグイン「シルバーエフェックス」、画像編集ソフト「ACDsee」の三種類。
写真とチャートを一つの画像にまとめてJPEGに変換したデータを元に検証した。
デジタルデータではグレーだけでなく黒や白の部分にもノイズがのってしまうことがわかったが、雰囲気のある面白い仕上がりになった。…