DIGITABLE 第53 回勉強会レポート

Digitable 基礎講座 2011 第10回
Photoshop CAMERA RAWによるRAW 画像処理:高木大輔講師

Photoshop でRAW データを現像するときに使うのが「CameraRaw」というプラグイン。
次第にバージョンアップを重ね、明るさや色調といった基本的な調整はもちろん、レンズ収差の補正など豊富な調整機能をも備えてきた。
カメラメーカー各社のRAW データに加え、Adobe Bridgeを経由すれば、JPEG やTIFF 形式のデータも調整可能で、DNG 形式で保存すればRAW データと同じ感覚で調整を繰り返せる。CameraRaw5.0 以降では「補正ブラシ」や「段階フィルター」が使用可能となり、他のRAW ソフトでは対応できなかった部分補正に対応出来るようになったのが強みだ。

基本調整の特長の一つに強力な補助光効果がある。明部や中間調にほとんど影響を与えずに、暗部だけに補正効果が適用される。他のソフトやトーンカーブで対処するよりも上がりもよいようだ。あたかもレフ板使用したような効果で暗部を明るく補正できる。
筆者の場合仕事柄、RAW 現像後にブラシやグラデ―ションを利用した部分補正を使用することが多く例えば、「SILKYPIX によるRAW 調整工程」→( 画像書き出し後)「Photoshop による修正工程」といった二段階のフローにならざるを得ない。Photoshop Camera RAW を使用すれば、「補正ブラシ」や「段階フィルター」がRAW 調整の段階で使用可能で、部分補正ののほとんどがRAW 調整の段
階で解消できることになり、一工程で済むことになる。またRAW 調整のタグとして書きこまれるだけなので、後戻りも含め何回でも繰り返すことが出来、元の画像を痛めないまま保管できる(=非破壊編集)。

他ソフトとの長所短所を比べながら、自分なりのRAW 画像処理のフローを探って欲しい。

 

参加者全員による“ライト二ングトーク”
(各自持ち時間5 分)

KM さんは京都、若狭の撮影紀行について。
TM さんは小物商品の合成撮りのポイントを披露。
ST さんは写真塾での作品展の案内。
IF さんは毎朝の撮影散歩にモノクロモードを取りいれた。
AY さんはクリスピアでのモノクロ作品のハイライトの“白
抜け” に対する試行錯誤を報告。
MM さんは多重露光での写真をプリントで。
KS 年齢の節目での雑感を語ってくれた。

尚、ライト二ングトークを生かすため、毎月の内容を新規
のBlog 上でも展開して行くことになった。

 

Photoshop 研究講座 平野正志 講師
「Silver efex(シルバーエフェックス)」

シルバーエフェックスはフォトショップのフィルターに格納される、モノクロ調整用のPlag in ソフトだ。Silver efexpro2 となり格段に使いやすくなったので考察する。

初期表示はプリセットカテゴリーと画像表示「グローバル調整」の画面となる。プリセットはあらかじめ設定され、それぞれの調整画像のサムネールが現れ、37 種類もある。

その他にお気に入りとして登録することも可能だし、WEBにはプリセットの別のサンプルも用意され自由にダウンロードできる。

グローバル調整には明るさコントラストに加えてストラクチャがある。これはさらにデテールを加えたいときに「画像全体のオブジェクトとエッジを識別して、それぞれのオブジェクトのエッジに影響を与えずコントラストを高める。

その他ダイナミックブライトネス、アンブリファイホワイト、アンブリファイブラック、ソフトコントラストなど様々なコントラスト調整メニューがある。

最終調整ではトーニング、ビネット、周囲焼こみ、画像フレームがある。部分調整はニコンのソフトでおなじみの「コントロールポイント」の機能がある。

モノクロ作品づくりの調整についてはこのソフト内で完結するように作られており、非常に上がりもよい。
値段も手ごろで、厖大化しすぎたPhotoshop に抵抗を持つユーザも少なくないようで、有効だろう。
但しPhotoshop のプラグインなので、残念ながら肝心のPhotoshop が無いことには使えないが…!